23年3月に入社し、2種免許を取得し社内外での研修を受け、4月に3日間の同乗実習を経て乗務を開始しました。タクシードライバーとタクシー会社について思うことをつらつらと書いてみたいと思います。
■タクシードライバー
始める前からある程度把握していたことというのは、会社員でありながら給与体系は売り上げに対する歩合制で個人事業主に近い働き方ということ。タクシードライバー独特の隔日勤務という、1度に2日分働いて勤務した翌日は休息日。勤務は1か月に12日前後なので通常の会社員よりも自由な時間が取れるということ。出庫した後は、基本的に自由で独自の戦略に基づいて売り上げを上げるということです。
さて、実際に働いてみて上記3点についての現時点での感想。
歩合制
今の会社の場合は、売り上げの50%弱が給与となります。加えて、ある一定以上の売り上げがある場合は売り上げの1/6がプールされ半年に一度賞与として支給されるとのこと。この辺り、まだ完全に理解していませんが、月給をベースとして考えると大体14か月分の年収となるようです。で、1日の営業収入が私の場合6万円前後であるため、1か月の営業収入は72万円、月給は33万円ほどになりそう。年収にすると33万×14=462万円。日本の平均年収と同じくらいになります。
そう聞くと悪くないんじゃない?と思うかもしれません。確かに1か月ちょっとの研修を経てすぐにこれくらいの収入になるというのは悪くないかもしれません。ただ、収入は基本的に景気に左右されるので道を覚えても運転技術を身に着けてもそれほど上がるものではありません。行ってみれば、新入社員と入社30年のベテランが同じ給料ということです。
平均年齢が60歳近いといわれるタクシードライバーですが、そのような給与体系も関係していると思われ、40代、50代の年功序列で給料が上がっていく日本のサラリーマンからすると魅力はありませんね。20代からすると回りよりも給料が良いかもしれませんが、一生その給料が続くわけです。
隔日勤務
1か月に12日勤務だと、「1.出勤、2.明の休み、3.出勤、4.明の休み、5.休日」の5日間サイクルを繰り返すことになります。基本的に、祭日も祝日もお盆もお正月も関係ありません。1回の勤務が大体朝の7時30分に出勤し、夜は26~28時に退社する感じです。平均すると拘束時間は20時間くらい。20時間のうち3時間休憩を取らないとならないので実際の拘束時間は17時間。12日勤務だとすると12日×17時間=204時間です。一般的な会社だと160時間だと思うので40時間ちょっと拘束時間が長いです。1日当たり2時間残業している感じですかね。とすると、「隔日勤務は自由な時間が取れる」というの正しくないというのが分かると思います。
ただ、明の休みでは朝から家にいることになるので平日しかできないことなどを片付けるには都合が良いです。この辺りは、ライフスタイルによって向き、不向きがあるように思います。私の場合、物販を副業でやっているので好都合です。ただ、会社員のころに比べて時間が増えた感じは皆無。睡眠時間を削っているという感じがします。
■タクシー会社
とにかく汚い
うちの営業所、とても汚いんです。
古い情報が修正がされない
うちの会社は日本交通横浜に数年前に買収されたようなんですけど、今だ外看板には当時の会社名記載の看板が掲げられています。。なんの意味があるのやら。。
そんなんですから、社内で使用するドキュメントは当然当時の会社名があちらこちらに。。嫌なんですよね、こういうの。
文書化されていない業務
就業規程とか休暇の規定とかそういったものが文書化されていなくて人づてに聞くしかないんですね。これも性格によるのかもしれませんが、日常業務にはその根拠となるルールがあって、ちゃんと文書化されていないと不便なので嫌なんですよね、私の場合。地方の1営業所レベルにそれを求めるのは酷なのかもしれませんけど。
謎のローカルルール
平塚駅の北口タクシー乗り場にタクシーが並ぶ場合、ロータリーを1周しなければなりません。順番が入れ替わらないようにとのことのようなのですが、一般車やバスと交差するし、回らなくても順番が入れ替わるようなことはほとんど考えられないことから全く意味不明です。
北側の西口などはもっと複雑で、時間帯でアプローチしてくる経路、客待ちをできる台数などを決めているようです。意味不明なので西口にはつけないようにしています。
思考停止?
タクシー会社は、アプリ配車などが入っていますが、その業務はいまだデジタルトランスフォーメーションってなに?って感じで時代に取り残された感じが否めません。なぜかうちの会社はGo Pay決済とQRコード決済については、都度手書きの伝票で乗車区間、ドライバー名、車両番号、乗車日、乗車時間、金額を記載しないといけません(何故か、インボイス導入に合わせて2023/10から理由を説明されることなく不要となりました。元々いらなかったと推測しています)。間違っていても何も言われないので、別にチェックしているわけではなく後から調査が必要となった時にないと困る模様。せっかくデジタル化されているのに手書きというところに萎えます。そして多い時だと1日20枚以上書かないとならず、非効率も甚だしい。
洗車はその車を担当するドライバーの仕事。洗車選任にやらせればいいのに。そうすれば、洗車時間を営業に使えてもっと売り上げも伸びるのだけど。
■タクシー車両
LPG燃料
いまだにLPGが燃料です。JPNタクシーについても、その企画の際、タクシー業界から燃料についてはLPGという強い要望が上がったそうな。吸油所は限られ、時間も限られ、LPG対応の車種も限られ、ほんの少しばかりの燃料代のためにドライバーにしわ寄せがいっているような気がしてなりません。
ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems、先進運転支援システム)
ADASはほとんど搭載されません。後退時にはクリープを使用するとか、目視で確認とか、Uターン禁止とか基本的な考え方がドライバー負担なんですよね。ADASをはじめとするシステムにより安全な運行を行うという考えがそもそもタクシー会社には不足しています。
1. ACC(Adaptive Cruise Control System:アダプティブクルーズコントロール)
ジャパンタクシー、クラウンともにその機能はありません。平塚あたりだと高速道路に乗る機会は限られているのでそんなに必要性は感じません。
2. FCW(Forward Collision Warning:前方衝突警告)
私の乗っているジャパンタクシー(前期型?)は、衝突しそうになると警告音を鳴らしてくれます。クラウンにはその機能はありません。誤作動というか、認識しているときばかりで警告音に助けられたことはないですが、会った方が良い機能だと思います。
3. AEBS(Advanced Emergency Braking System:衝突被害軽減制動制御装置)
ジャパンタクシー、クラウンともにその機能はありません。これは絶対にあった方がいいですね。
4. NV/PD(Night Vision/Pedestrian Detection:ナイトビジョン/歩行者検知)
ジャパンタクシー、クラウンともにその機能はありません。これも絶対にあった方がいいです。
5. TSR(Traffic Sign Recognition:交通標識認識)
ジャパンタクシー、クラウンともにその機能はありません。普段乗っているCX-8には機能がありますが、便利だなと思ったことはないですね。タクシーにも不要だと思います。
6. LDW(Lane Departure Warning:車線逸脱警報)
ジャパンタクシーには速度50㎞以上の場合、警告音を鳴らしてくれる機能があります。クラウンにその機能はありません。これはあった方が良いです。ちょっと集中力が低下して、車線を踏んでしまうことは結構あります。
7. LKAS(Lane Keeping Assist System:車線逸脱防止支援システム)
ジャパンタクシー、クラウンともにその機能はありません。これもあった方が良いです。
8. BSM(Blind Spot Monitoring:死角モニタリング)
ジャパンタクシー、クラウンともにその機能はありません。これもあった方が良いです。
9. RCTA(Rear Cross Traffic Alert:リヤクロストラフィックアラート)
ジャパンタクシー、クラウンともにその機能はありません。これもあった方が良いです。
10. DM(Driver Monitoring:ドライバーモニタリング)
ジャパンタクシー、クラウンともにその機能はありません。これもあった方が良いです。ジャパンタクシーにはDrive Chartというドライブレコーダーが搭載されていて、これと同じような機能を提供していますが、即警告を出してくれるのではなく、後日運転を振り返るといった使い方です。
11. AFS (Adaptive Front lighting System:自動ヘッドランプ光軸調整)
ジャパンタクシー、クラウンともにその機能はありません。これもあった方が良いです。その前に、クラウンのライトはまるで提灯の明かりのように暗いです。街の明かりが少ない平塚を走るには機能不足が否めません。
1-12 APA(Advanced Parking Assist:高度駐車アシスト)
当然ながらジャパンタクシー、クラウンともにその機能はありません。タクシーにはいらないですね。