BMW E83 LCI X3クランクシャフトシール交換(102,150km)

はじめに

ベルトが切れ、巻き込んだベルトによりクランクシャフトシールが損傷し、エアの吸い込みでアイドリング不調になりました。

アイドル不調の修理のためクランクシャフトシールの交換について記録しておきます。

工具

クランクシャフトシールの抜き取り、挿入で専用工具を使用しました。汎用の抜き取り工具と塩ビパイプで挿入する方法などあるようですが、作業を終えてからの感想では専用品にした方がいいと思います。このNシリーズエンジンはシールの径が大きく、挿入の時も結構な力が必要なようです。

  • クランクシャフトシールインサーター&リムーバー:BMWの品番だと119220、119230のようです。Amazonやモノタロウでも互換品の取り扱いがあるようです。価格は3万位するようですね。N52エンジンで使用するオイルシール11117547842に適合したものである必要があります。
    今回、特別急ぐ必要もなかったので、AliExpressで発注しました。EMSで発送で、トータル80USDほどで入手できました。

  • トルクスE10ソケット:バイブレーションダンパー(クランクプーリー)取り外し用
    六角22mmソケット:クランクプーリー取り外し時のクランク供回り防止用
  • T60トルクス:ベルトテンショナーを緩めるために必要

部品

シール挿入後に接着が必要なようです。Loctiteの専用品が指定されています。日本だと検索しても出てきません。Loctiteのねじ止め剤やはめあい用接着剤があります。悩んだ挙句、Loctite 648と7471を購入しましたが、購入後にどうも金属専用で、ゴム製には使用しない方が良いような感じでしたので使用していません。

 
作業を終えてからの感想ですが、感覚的には、結構な力で挿入するので、ずれることはないのでは?との印象でした。ので、手元にあったTB1215液状ガスケットを指で塗って完了です!耐久性に難ありでしょうが、自身でメンテナンスするので定期的に確認してみたいと思います。

  • フロントクランクシール:11117547842。専用工具と同様にAliExpressで購入。Yahoo!ショッピングなどで見つけることができます。メーカーによる良し悪しはそんなに出るもんじゃないだろうとの想定の下です。
  • Engine Block Primer Loctite 171000:シール挿入後、接着のプライマーとして必要(使用せず)
  • Loctite 5970 Liquid Sealant – 50ml:シール挿入後、接着に必要(使用せず)

手順

クランクプーリーに取り掛かる前作業として、エアインテークのダクト、ラジエターシュラウドファンを取り外しておきます。トルクスネジと、プラスチックのリベットで止まっていますが取り外しは簡単です。

ベルトも外す必要があります。ベルトは、テンショナーにあるT60トルクスの穴を使用してテンションを緩め外します。T60を奥まで確実に挿入しないと舐めます。私の場合、なめてしまい取り外すのに大変苦労しました。

クランクプーリー取り外し

クランクプーリーはE10トルクスボルト6本で取り付けられています。古いタイプのL6エンジン(Mシリーズ?)では、センターボルトを取り外す必要があったようですが、Nシリーズエンジンではセンターボルトは取り外しません。きっと取り外すと、エンジンタイミングを取り直す羽目になるでしょう。絶対にやめましょう。

クランクが供回りしてしまうので、クランクシャフトを22㎜のソケットで押さえてボルトを抜きます。

それなりに強いトルクでしまっていますが確実にトルクスソケットを奥まで挿入しましょう。

ボルトが抜けてしまえば、プーリーは簡単に取り外せます。

プーリーを取り外すと、予想通り破断したベルトで破損したオイルシールが現れました。

クランクシール抜き取り

専用工具を使用して抜き取ります。工具付属のタップねじではうまくシールをつかめなかったので、付属のものよりも細いねじを使用しました。

クランクシール抜き取り
クランクシール新旧比較

取り外したクランクシールは上の写真左側、新しいのが右側です。外したものはネジで穴をあけて抜くために損傷しています。新品には挿入時のガイドが付属しています。専用工具を使用する場合使用する場面がありませんでした。

シールを抜いたら、ベルトの破片らしきものが見えるのですが、取れそうにないので断念です。取ろうと思うと恐らくオイルパンを外さなくてはならなそう。変なところに回り込まないことを祈ります。

クランクシール挿入

まずは、下の写真の工具を取り付けます。

その後、クランクシールを挿入し、上から挿入工具を取り付け、ネジを絞めこんで挿入します。特に難しいことはありませんでした。シール装着時は、シールに2か所ある切り欠きをエンジンブロックの水辺の面に合わせるようです。

専用工具でシールを挿入
新クランクオイルシール装着

無事にシール挿入ができました。ブロックの上下の接続面にシールの切り欠きが来るようにして、本当はそこに接着剤を流し込むようです。今回は液状ガスケット(TB1215)を気休め程度に塗って終了しました。

後は、ベルトを戻し、ラジエターシュラウドをつけて完了です。ベルトを戻すときにテンショナーのT60をまたなめてしまい・・・。テンショナーのボルトが折れないことを祈ります。

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