特に運転していて違和感を感じたわけではないのですが、500㎞も走るとオイルレベルが1つ減るほどエンジンオイルの消費が激しいので、OBD2コードリーダーで診断したところ、2AAC、29D1、29D0、29DCC等のコードが出力されていました。2F71は別の問題だと思いますが、ミスファイヤが発生しているのは間違いなさそうです。
C110+で2AAC、29D1、29D0、29DCC等のエラーコードを確認
プラグかなと思い、プラグを取って見てみると2から5番のプラグホールにエンジンオイルが溜まっていました。エンジンオイルの消費が激しい理由はこれだったのでしょう。 プラグホールにエンジンオイルが溜まる場合、ヘッドカバーのプラグホール部分のガスケット(シール)の不良が原因のようです(右バンクプラグホールのオイル漏れ修理② )。プラグホールにエンジンオイルが溜り、漏電してミスファイヤが起きていたと想像しました。 ヘッドカバーのガスケットなら、エンジンタイミング関係ないし、自分でできるかなと思い調べてみることにします。 N型エンジンのヘッドカバーからのオイル漏れはよくある修理っぽく、Youtubeを見るとガスケット交換の詳しい動画が出てきます。次の動画はE90なのでどんぴしゃではないですが、N52エンジンなのでほぼ同じでしょう。
VIDEO
英語ですけど作業動画なので大変分かりやすいです
部品
交換に際して準備したものです。
シリンダーヘッドカバーガスケットセット
部品番号 11127582245 3,860円
Valvetronic Camshaft Adjusting Unitシール
部品番号 11127552280 2,300円
Eccentric Shaft Sensor Gasket
11127559699 1,030円
購入はセントピア というネットで部品を販売している会社です。別途送料が600円かかります。エキセントリックシャフトのガスケットはセントピアノウェブに情報がなかったのですが、問い合わせると取り扱いありとのことでまとめて発注しました。ここは在庫をちゃんと持っているようで翌日発送で、すぐに届きました。車両適合の問い合わせに対しても大変早く答えが返ってくるし、なかなか好印象です。
ウェブの情報では、プラグホールのスリーブも交換している場合が多いようですが、別にスリーブはオイル漏れとは関係ないようなので交換は見送りました。ちなみに、部品番号11127575422で、セントピアで取り扱いがあり 680円/個とのことでした。
こんな風に、3点がセットになったものがお買い得かもしれません。ただ、これ、中国製のコピー品だと思われます。
届くまでに時間がかかってもいいという事なら、AliExpressで格安のOEM品(リバースエンジニアリング品?)を購入して試してみるのも良いかもしれません。今回は時間が無かったので国内で購入です。
AliExpressでガスケットの部品番号で検索 したら、20USDほどでした。ま、国内での価格は倍ですが、許せる範囲かと
後日ですが、AliExpressを探索していたら、この3つの部品がセットになった魅力的な商品 を発見!32USDってやはり半額ですね!次やるこちはこれにしよう(そんなに乗る予定無いけど…)。 —後日更新(2019.9.17) Amazonでも3点セットの格安品が出品されています。AliExpressと同等品だと思いますんのでこちらの方が返品を考えるといいかもしれません。
工具
E8、E10のトルクスソケット 「整備工具のストレート」で、ヘクサロビュラディープソケットセット 7ピース 差込角3/8″(9.5mm) を買いました。VVTモータの取り外しで、E8はかなり狭い場所で使用する必要があるみたいです。差込角6.35㎜であれば回るかもしれないですが、ディープソケットの方が間違いないかなと思って購入です。結果、角度がギリギリだったけど回せました。ユニバーサルジョイントは必須です。 –後日更新(2019.9.17)そういった意味でも1/4″ E8でユニバーサルジョイントが一体になったこの工具は買っておいた方がいいですね。
内装外し(スクレーバー) Youtube動画のような専用工具もあるようですが、1回限りで買ってられないので、内装外しを使ってシリンダーヘッドカバを外しました。
他 トルクス(T30?)がないと周辺パーツを取り外せないので必須です。タワーバーがなじみのない13㎜のボルトで止まっています。薄めのスパナじゃないと入らない回せません。
エンジン全景
バルクヘッドにあるエアフィルターの取り付け部分。T型トルクスで取り付けてあります。
バルブカバーにたどり着くまで、様々な周辺パーツを取り外します。
エンジン奥にある、ブローバイホース(?)を取り付けているクリップの取り外しは要注意です。構造的には手でつまんで引き抜くのですが、なかなか抜けず、ホースを割ってしまいました。プラスティックは硬くて脆くなっているので要注意です。ダクトテープとパイプ補修用のパテで補修してOKとしました。
割れてしまったホース。交換するほどのものではなさそうなので、耐熱のテープで巻いて補修。
プラグ回り。今のダイレクトイグニッションのエンジンはプラグコードがこんな細い電線なのね。昔はぶっといほど偉いみたいに言われていたが。
カバーの取り外しは、こんな感じでプラスティックのスクレーバーを差し込んで。プラグホールから漏れたオイルに埋もれて見えなかったボルトを外しておらず、なかなか外れずにてこずった。
取り外したカバー。ゴム製のガスケットなのだが、バリバリでプラスティックのようになっていた。これじゃ漏れるわけね。
インジェクターが取り付けてある部分。クリップでパチンという感じなんだけど、このクリップを2つもエンジンルームに落として見つからなくなってしまった。問題なさそうだけど、要注意。
VVTモータのガスケット
VVTモータ
カバーを外したシリンダーヘッド内部。9万キロ走行にしてはどうなんでしょう?すごくきれいというわけではなさそうですが、ヘドロのようなものもないので、それなりなんでしょうか。
カムスプロケット側からの写真です。決してきれいではないですね。6万キロで入手し、3万キロ走行。オイル交換は6.1万、7.7万キロで実施してます。そろそろ3回目をやろうとしているタイミング。
ヘッドカバー内側にスラッジのようなものがへばりついている。時間があれば、パーツクリーナー等できれいにしたいところ。
今回使用したトルクスのソケット。 ディープタイプを選んで正解でした。上の商品はヤフーショッピングで購入です。
ヘッドカバーの取り外しさえできてしまえば、あとはガスケットを交換して、取り外した逆の手順で取り付けるだけです。
繰り返しますが、インジェクターを取り付ける際のクリップの取り扱いは十分注意してください。エンジンルームに落下させるとおそらく救出は無理です。
そして、年式が古くなるとプラスチック部品が怖いくらいに脆くなっています。特にブローバイのホースは割れるのが当然といった感じでした。このあたりの部品を交換前提で作業前にあらかじめ用意しておくのが良いとおもいます。そして、BMWのエンジン回りをいじるのであれば、トルクスソケットは必須です。T型、E型それぞれ3/8差し込み角、1/4差し込み角で揃えておくのが良いでしょう。
後日談として、 VVTモーターのガスケット部からオイル漏れを起こした模様です。取り付けはタッピングスクリューなのでトルクはかけられませんが、ゆるすぎると漏れを起こすようですね。また、カバー取り外し時にカバー自体を変形させたためか、エキセントリックセンサーのガスケット周辺に亀裂が入ってしまった模様です。このあたりからもオイルが漏れてきます。